静岡国民文化祭・二俣一夜城

2009年11月1日
【画像提供】玄蕃頭殿/富楠殿/楠木正勝殿/織田雄謙様/鍋之助様

【キャスト】
【徳川方】

徳川家康(三河国主・徳川三河守家康:30歳) 玄蕃頭※

居合

井伊直政(徳川四天王・井伊万千代直政:12歳) 朋月※(法螺貝)

榊原康政(徳川四天王・榊原小平太康政:25歳) 剣心※

本多忠勝(徳川四天王・本多平八郎忠勝:25歳) 鍋之助

酒井忠次(徳川四天王・酒井左衛門尉忠次:46歳) 織田

中根正照(二俣城主・中根平左衛門正照:不詳)駿河守

服部半蔵(伊賀甲賀衆頭(かしら)・服部半蔵正成:31歳) 榊原(旗持)

大久保忠世(蟹江(かにえ)七本槍が一人・大久保新十郎忠世:41歳) 伊藤

石川数正(西三河旗頭・石川伯耆守数正:40歳) 伯耆○

本多重次(鬼作左(おにさくざ)こと・本多作左衛門重次44歳) 鵜方 ○

【武田方】

武田信玄(甲斐・信濃国主・武田信玄入道晴信:52歳) 一海※

剣舞

山県昌景(甲斐の赤備え・山県三郎兵衛昌景:44歳) 知盛※

馬場信春(鬼美濃・馬場民部信春:58歳) 富楠※

真田昌幸(六紋銭・真田源五郎昌幸:26歳) 黄龍

武田勝頼(信玄が嫡子・四郎勝頼:27歳) 楠木(旗持)

内藤昌豊(武田家副将・内藤修理昌豊:51歳) 充正※(法螺貝)

武田逍遥軒(信玄が舎弟・逍遥軒信廉:41歳) 羅生(太鼓)

2009年度の国民文化祭は静岡で開催されます。そしてその一環である二俣城跡会場にて我ら甲援隊が出演させていただくことになりました。この日のために玄蕃殿は家康公の甲冑を購入するなど気合を入れ、半年以上打ち合わせをしてまいりました。
台詞や剣舞・居合いなどは甲援隊、地元の徳川勢は静岡衆の皆さんにお願いすることになり、甲援隊は前日より静岡入りです。
お昼に集合し、夜遅くまで徹底して稽古をいたしました。
シーン@
オープニング(主要人物名乗り)→前座


練習風景


信康廟へ




出陣!

太鼓・法螺貝鳴る中

舞台前に全員整列。

井伊「皆々様、二俣までご足労いただき、かたじけのうござる」

山県「本日はこの地にて二俣城合戦絵巻をご披露仕りまする」

信玄「さて始まります前に我が武田軍と―」

家康「徳川軍双方の勇将をご紹介いたしまする」

法螺貝・太鼓連打。

琵琶に併せて自己紹介。

徳川方から一人ずつ名乗りを挙げる。

武田方も名乗る。

信玄・家康「それでは最後までごゆるりと―」

全員「御照覧あれ!!」

法螺貝・太鼓とともに武田・徳川に分かれて舞台横へ移動。

井伊、周りを警戒しながら登場。会場の客に向けて話し始める。

井伊「それがしは徳川四天王が一人井伊直政。主命(しゅめい)にて、武田勢の様子を窺ておりまする」

また警戒し、劇中に戻る。

井伊「ううむ。武田め。我らを滅ぼさんと企んでいようが、そうは参らぬぞ」

井伊、遠目で「むむ、あれは??」

太鼓連打に合わせ、山県颯爽と登場。

山県「ふははははは。三河の小倅めが人並みに物見をしておるわ」

井伊「何を・・・! 我が刃(やいば)、しかと受けてみよ」

山県「小癪な!!」

太鼓連打。井伊が「覚悟!」と叫び斬りかかり、殺陣開始。

双方構え、井伊・山県殺陣。

一旦離れ双方対峙。

山県「ううむ・・・! 小僧にしては中々の腕前。褒めてつかわす」

井伊「さすがは天下無双と謳われた山県昌景。一筋縄ではいかぬのう」

双方睨み合っている中、法螺貝・太鼓が鳴り響く。

山県「む! お館様率いる軍勢が到着したようじゃ。徳川の命運もこれまでよ」

井伊「ほざくな! 徳川の心意気、見せてやるわ」

前日の練習を終え、いよいよ当日。お天気も何とか持ちそうな雰囲気です。しかし色々と手違いがあり、地元組が遅れる連絡が^^;しかし玄蕃殿が真摯に対応され、かつ甲援隊のメンバーも一致団結して当たりましたので、出発時間までにリハを終え、いよいよ出陣です。
シナリオですが、今回導入したのは年齢設定。より感情移入していただくために設定を伝え、その年齢になりきってもらいました。一番大変だったのは朋月殿。井伊直政は当時十二歳。すごい年齢のギャップです^^しかしそこは強引・・・じゃなくって、卓越した迫力・・・でもなく演技力でカバーしていただきました^^

さてまず徳川信康の菩提寺である清瀧寺の信康廟に参詣。
二俣の町を巡りながら武者行列です。しかし信康公の武田へのうらみか・・・登城後はちょっとダウンしてしまいました^^;;
しかしすぐに体力を取り戻し、本番です。

シーンA
居合い・剣舞披露







諸将名乗り




軍勢双方から行軍し、井伊・山県ら合流。

指定位置到着後、家康・信玄陣構えの合図。

家康槍を掲げ「やあやあ我こそは三河の太守・徳川家康なり。敵も見よ、味方も見よ。徳川が誇りし陣形「魚鱗の陣」を!」

家康槍を掲げ、太鼓乱打の中徳川勢陣を構える。徳川勢荒々しく「おうおうおう」と声を挙げて陣形を組む。

信玄「ふははははは。三河の者、生意気にも陣形を構えおるか。馬場!」

馬場「はっ」

信玄「三河の者どもに陣形とはいかなるものか・・・しかと教えてやれ」

馬場「はっ。孫子の兵法を受け継ぎし武田が陣形、しかと教えてやりまする」

信玄「鶴翼の陣」

信玄、軍配を挙げ、武田方「おーーー」と答える。

太鼓・法螺貝の鳴る中、整然と陣形を組む。

信玄「家康。隠れておらず、その顔を余に見せよ」

家康「信玄入道、この家康、逃げも隠れはせぬわ」

信玄「ふふふ。小童め。その心意気だけは褒めてつかわす。家康、聞くがよい。我ら天命に従い上洛をいたし、天下に安寧をもたらさんとしておる。しかるに天道の何たるかを知らぬその方どもが我らの行く手を遮るとは言語道断。天を恐れぬとはまさにこのこと!」

家康「その物言い、片腹痛し。己が野望を達せんがための無用の師(いくさ)、その行いこそ天道に背くもの。信玄入道、こなたこそ恥じ入るがよい」

内藤「おのれ、家康。言わせておけば」

武田武者が刀を抜き、構える。

家康「下郎! 侮るな!!」

井伊「やすやすと殿に近づけると思うなよ」

徳川方、構え対峙する。

家康「皆の者! 武田の威に負けるでないぞ。徳川の意地、しかと見せつけてやれ」

井伊「はっ。では日頃より鍛えし剣技の数々を披露つかまつる」

太鼓・法螺貝の鳴る中、武田勢、後ろに下がる。徳川勢前に。

【居合形】

徳川勢、定位置に。

山県「ううむ。中々の剣技。侮れぬ。・・・されば我が武田家の武威を見せてやろうぞ。お館様」

信玄「うむ。新羅三郎義光公以来、我が家に伝わりし「四剣の舞」を田舎武者どもに・・・いや天にお見せするがよい」

武田勢、整列。武田勢前へ。

信玄「御旗、盾無御照覧あれ」

武田勢「御旗、盾無御照覧あれ」

【琵琶・笛の演奏に合わせ、剣舞】

シーンB
双方の武威向上







双方、定位置に。

井伊「ううむ。これが噂に聞く四剣の舞・・・さすがは武田家。厳(おごそ)かにして雅(みやび)」

馬場「ううむ・・・家康め・・・。ただの田舎大名だと思っておったが・・・なかなかどうして、侮りがたい・・・」

山県「お館様・・・。攻めれば勝てぬ戦とも思えませぬが・・・急な攻めは剣呑至極(けんのんしごく)。ここはひとまず退くが肝要かと思われまする」

内藤「確かに。上洛を控えた今、無用に兵を損なってはなりませぬ」

信玄「ううむ。あいわかった」

信玄、軍配を挙げ、武田勢、少し引く。

家康「おお、武田が退いたぞ」

井伊「これは好機。追い打ちをかけましょうぞ」

家康「いや、待て。相手は信玄入道。何か策があるやもしれぬ。追い打ちはならぬ」

井伊「しかし、このままでは兵の士気が落ちましょうぞ」

家康「うむ。では・・・皆の者!」

法螺貝を合図に

徳川勢、整列。

家康「厭離穢土、欣求浄土(おんりえど ごんぐじょうど)」

徳川勢「厭離穢土、欣求浄土(おんりえど ごんぐじょうど)」

家康「(好きなセリフ)」

家康槍を挙げ、徳川勢声を挙げる。太鼓・法螺貝。

山県「ううむ。徳川め・・・。お館様、我らも負けてはおられませぬ」

信玄「うむ。武田が武威、天にご覧いただこうぞ」

内藤「南無八幡大菩薩!」

法螺貝

信玄「其の疾きこと」

武田勢「風の如く」

信玄「其の徐かなること」

武田勢「林の如く」

信玄「侵掠すること」

武田勢「火の如く」

信玄「動かざること」

武田勢「山の如し」

琵琶のみ演奏※

馬場「知り難(がた)きこと」

信玄「陰(かげ)の如く」

山県「動くこと」

信玄「雷霆(らいてい)の如し

琵琶・笛演奏※

信玄「人は城」

山県・馬場・内藤「人は石垣」

信玄「人は

山県・馬場・内藤「情けは味方」

信玄・山県・馬場・内藤「仇は・・・」

武田勢「敵なり

信玄軍配を上げ、武田勢「おーーー」と応える。

法螺貝・太鼓

シーンC
総勝鬨→→退場









双方定位置へ。

家康「ううむ。見事なり・・・武田家!」

信玄「徳川家も中々のもの。まこと天晴れ」


信玄・家康中央へ

信玄「のう家康殿・・・。武田も徳川も天下を・・・この二俣を思う気持ちは一つのはず」

家康「まことに」

井伊「では敵味方の区別なく、時代を超えて会場の皆様も共に勝鬨をいたしましょうぞ」

馬場「それはまことに良き思案。して・・・勝鬨には何か作法はござりまするか?」

井伊「はははは。それがし作法を存じておりまする。作法はいたって簡単―」

井伊、信玄や家康相手にアドリブを交え、説明。

家康「うむうむ。あいわかった。とてもわかりやすかったぞ。直政、褒めてつかわす」
井伊「ありがたき幸せ」
山県「では・・・お館さま」

信玄「うむ。では・・・皆心を一つに勝鬨を挙げようぞ」

BGMその2

信玄、家康勝鬨。

家康「勝鬨!」

信玄「えいえい」

全員「おーーー」(三回)

最後の「いざ」は信玄・家康共に。

法螺貝・太鼓を鳴らしながら退場。

今回の演武式は武田は優雅、徳川は猛々しくというおイメージで演出してみました。
本番はほぼ完璧に進み、最後の勝鬨も会場の皆様と一緒に盛大に執り行うことが出来ました^^また玄蕃殿も本番では見事大将役をこなすことが出来、今後のご活躍が楽しみです^^


勝鬨



こうして無事に終了しましたが、お天気がかなり危なくなりましたので、早急に撤退です。また体力も結構限界でしたので、急いで帰ることに・・・^^;
そして帰った途端、雨が降り出してきました^^;
いつもながらギリギリ勝負です^^;;
とにもかくにも何とか任務を果たし、一安心です。
この日は夜行でしたので、その時間までは玄蕃殿と二人で打ち上げをし、帰阪いたしました。
また静岡方面でイベントを催したいものです。

最後に二俣の皆様、静岡衆の皆様、琵琶演奏をしていただきました香風ご夫妻には篤く御礼申し上げますm_m
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