大坂の陣合戦祭2015



2015年5月17日
【画像提供】楠木正勝殿/片八木様/大坂陣参加者の皆様








@大阪城天守閣前にて




















































昨年2014年の大坂の陣はいわばプレイベントでしたが、今回はいよいよ四百年祭のメインイベント。
中枢メンバーは前回とほぼ同じでしたので、息はばっちり合っておりました。
お天気も良く、また気温もさほど高くなくイベント日和。舞台は大阪城天守閣前の特設会場となります。
A前座は道頓・道卜??








































練習が終わり、いよいよ本番。
その前に安井道頓に扮する私と、道卜扮する戦国魂の鈴木さんとで舞台挨拶です。
実は寸劇途中で出番を考えていたのですが、ストーリーがわかりにくくなるということと、役をお客様にわかっていただくために自己紹介をと考え、このような形になりました。
思いっきりアドリブでかなり面白かったです^^・・・暑かったけど^^;;
Bいざ本番!






















































★★★ステージ1:入城 

大助、息を切らせながら舞台上に。
徳川軍、大助を執拗に追う。 

【殺陣】 
1:蹴散らす。 
大助「蝗のように次から次へと…。徳川の者共、よく聞けッ。我こそ真田信繁が子大助幸昌なりッ」 
2:多勢に無勢で窮地に。 
3:又兵衛乱入。大助を助ける。 

又兵衛「やあやあ我こそは後藤又兵衛基次なりッ」 
大助「又兵衛様」 
又兵衛「おお、これは大助殿ではないか。かような所で何をなされておられる」 
大助「はっ。間もなく徳川の軍勢がここ大坂城へ押し寄せて参りまする。そのことを父上にお伝えするべく馳せ参じた次第」 
又兵衛「左様か。ならばここは、この又兵衛に任せ、そなたは疾(と)く参られよ」
大助「はっ」 
大助、徳川雑兵を押しのける。 
大助「矢尽き刀折れようとも、我が心は、決して屈しはせぬッ」 
舞台を降りる。 

本多(酒を呑みながら)「おのれ、鬼内記(おにないき)と恐れられたこの本多忠朝の邪魔立てをするとは言語道断・・・。だが又兵衛よ。おぬしたち豊臣の残党がいかに足掻(あが)こうとも無駄なことよ」
又兵衛「なに?」 
本多「あれを見よッ」 
徳川勢力、掛け声(えいえいおーおー)と共に舞台前に集合。 
又兵衛「寄せも寄せたり――」 
本多「方々、大坂城は裸城ぞ」 


徳川、東軍指揮(鹿)の合図で勝鬨。 


























(舞台横)勝永「ははははは。徳川よ。容易く我ら豊臣を滅ぼせると思うなッ」 

徳川勢、舞台裏へ。 

陣太鼓乱打 

勝永(舞台横→観客前を走る(アドリブ可)→舞台上へ) 
又兵衛「おお、毛利勝永殿ではないか」 
本多、邪魔をしようと駆け下りようとするが、又兵衛がこれを防ぐ。 
勝永、舞台上に。 
又兵衛「勝永殿」 
勝永「又兵衛殿、寄せて参ったのは徳川のみではござらぬぞ。あれをご覧(ろう)じろ」

西軍指揮(一海)と共に豊臣軍掛け声(おうおうおーう)と共に登場。戦闘体制へ。 

東軍、戦闘体制へ。 

舞台上のメンバー、一旦舞台下へ。 
名乗りを挙げる武将舞台上へ。 

政宗、島津、毛利退場。 








■■■第一回乱戦 
塙「我こそ塙団右衛門なりッ。進めや進めッ」 
池田「我は池田利隆。方々、豊臣を白鷺(しらさぎ)の羽の如く、包み攻め滅ぼされよッ」
■■■ 
乱戦終了間際に本多たち再び舞台上へ。

本多「おのれぇぇぇ」 
勝永「命が惜しくなければかかってくるがよい」 
舞台上の武将、退場。 

★★★ステージ2:秀頼。淀殿、千姫登場 

笛 

千姫、徳川勢に守られながら登場。 
千姫「嗚呼…お城が・・・」 
天守閣を見る。 
井伊「千姫様。お急ぎなされませ」 
少し沈黙。葛藤の末、顔を上げる。 
千姫「井伊殿。やはり・・・やはり千は秀頼君を置いてはいけぬ」 
井伊「何を仰せです?」 
徳川勢がそれを遮ろうとするが、千姫振り切る。 
豊臣武将(明石、塙)に守られた秀頼・淀殿母子登場。 
千姫「秀頼君ッ」 
秀頼「千、千ではないかッ」 
淀殿「なぜまだかような所に?」 
千姫「我が君のお命をと思いましたが、やはり千は豊臣秀頼の妻。最期までお供仕りまする」 
淀殿(涙しながら)「たわけッ」 
千姫「義母(はは)上」 
淀殿、優しく千姫の肩を摩る。 
淀殿「そなたは妾と秀頼の心がわからぬのか?」 
千姫「ですが・・・」 
淀殿「そなたまで大坂と命運を共にすれば江(ごう)に何と詫びれば良いと申すのか―。そなたは生きて江に孝を尽くし、豊臣無き後の世をしっかりとその眼(まなこ)で見ねばならぬのじゃ」 
千姫「義母上…」 
千姫嗚咽。秀頼優しく肩に手をかける。 
秀頼「千よ…」 
千姫「はい」 
秀頼「そなたの想い、ありがたく思うぞ。だが豊臣を…いや余のことを想うてくれるのなら、生き延びることこそそなたの役目ぞ。良夫(おっと)への心づくしぞ」 千姫「…秀頼君」 

双方から刀を抜いた武者、長宗我部が現れる。 
長宗我部「長宗我部盛親、御前(おんまえ)に」 
秀頼に拝礼。 
長宗我部「秀頼君、ここは危のうござりまする」 
秀頼「おお、盛親か」 
長宗我部「この場はそれがしが防ぎまする。まずは山里郭へ」 
秀頼「相わかった」 
淀殿「千よ、まずはここを離れましょうぞ」 
千姫「はい」 
秀頼、千、淀殿、豊臣武将に守られながら退場。 












★★★ステージ3:薩長土対決 

島津、毛利秀元登場。 
長宗我部「おお、誰かと思えば島津家久殿に毛利秀元殿ではないか」 
毛利「これは長宗我部殿」 
長宗我部「御両人。白刃を手にどこへ向かわれる」 
島津「こいは長宗我部殿とは思えぬお言葉。おいたちは戦(ゆっさ)に参り申した。我が島津と長宗我部家は共に関が原にて西軍として戦うた仲じゃ。おまんさほどのお方を無駄に殺(あや)めたくはござりもはん。もう勝敗を決しておりもんそ。降伏してたもらんか」 
毛利「そうじゃ。ここで死すは犬死というものじゃ。世話ぁない。この秀元と島津殿にその身を預けられよ」 
長宗我部哄笑する。 
長宗我部「はははは。たまるか、たまるかァ。この長宗我部盛親はかつて四国を併呑せし一領具足率いし者ぜよ。この期に及んで命乞いなど笑止千万。おんしたちこそそれぞれ覇を唱えし家柄。さらに徳川の理不尽にて偉(おお)いなる志を封じられたを恥とは思わんのか」 
毛利「されど…」 
長宗我部「ほたえなッ。この期に及んで我が身は惜しまぬ。土佐国主の誇りにかけて、断じて徳川には屈せぬ」 
島津「よう申された。生き恥を晒せぬその気持ち…この島津家久も薩摩隼人。ようわかりもんす。ここは武士の情け、おいの刃にてその首を刎ねんッ」 
長宗我部対島津
苦戦→とどめを刺す寸前で刀を止め、毛利にかかってくるよう促す。 
長宗我部対毛利
苦戦して勝利。長宗我部疲労。 
とどめを刺そうとするが、躊躇。 

舞台横から伊達の笑い声。 
政宗「独眼竜政宗、推参ッ」 
政宗(舞台横→観客前を走る(アドリブ可)→舞台上へ) 
長宗我部「今度は伊達政宗か」 
島津と毛利、立ち上がる。 
島津「土佐殿、ここはもうお退きあれ」 
※ここはアドリブで政宗登場まで時間稼ぎ 
政宗「待たせたな」 
※アドリブ入れても可。 

政宗「島津殿、毛利殿。何を血迷て敵に情けをおかけになるのか。我らの双肩には家臣領民がおる。古来より大名とは民草を護るが天命ぞ。だが―」 
政宗、刀を抜く。 
政宗「天下に覇を唱えし気持ち、この政宗、わからぬでもない。ならば―」 
刀を抜く(暴れん坊将軍みたいに格好をつける^^) 
政宗「雑兵の手ではなく、この政宗自ら引導を渡してやる」 
長宗我部対政宗
長宗我部満身創痍で立ち上がり、島津、毛利を見る。 

長宗我部 
「この身がたとえ…」 
「大坂の野辺に朽ちても…」 
「我が志は薩摩、長州に留めおこうぞ…」 

島津、毛利涙ぐむ。 
長宗我部、煙の中、退場。 
政宗「…さらばじゃ。長宗我部盛親殿」 













































★ステージ3:又兵衛の最期 

又兵衛登場。 
又兵衛「はははは。何たる兵の数か。この大坂に…いや我が国、開闢(かいびゃく)以来、これほどの兵が集まることなどなかったことであろう。いやはや愉快、愉快。男子の本懐ここに極まれり」 

煙幕 

※又兵衛、舞台の隅へ。 

■■■第二回乱戦 
山内「我が名は土佐国主・山内忠義。泰平の世が明けるか否かはこの一戦にありッ」
明石「命ある限り、一歩も下がるな。そなたたちは偉大なるデウスによって守護されておるのじゃ。この明石全登に続け、続くのじゃッ」 

■■■ 
煙幕 

※又兵衛、舞台の中央へ。 
又兵衛、息をつきながらあぐらをかく。 
又兵衛「まこと漢(おとこ)の最期を飾る良き戦なれど・・・この霧は何とも無粋じゃ」
又兵衛、何かを思い出す。 
又兵衛「・・・関ヶ原・・・関ヶ原もこのような霧が立ち込めておったのう。あの時は大殿もご健在で、殿と共に戦うたのじゃったな」 
又兵衛、懐かしそうに笑う。 

煙 

政宗、登場。 

又兵衛「・・・御敵(おんてき)か」 
政宗「左様。伊達政宗でござる」 
又兵衛、槍を杖にしながら立ち上がる。 
又兵衛「さてもさても。かの独眼竜殿、御自らとは畏れいる」 
政宗、殺気を漂わせながら(円月殺法みたいに)構える。 
政宗「戦(いくさ)は…終わらせる」 
又兵衛「心得た。だが楽はさせぬぞ」 

又兵衛対政宗
又兵衛、とどめを刺さない。 

片倉「殿ーーーー」 
片倉、必死になって舞台に。 
又兵衛「誰か?」 
片倉「片倉小十郎重綱、後藤基次殿の御首(みしるし)頂戴仕る」 
又兵衛「ほほう。片倉景綱の嫡子よのう。ならば相手にとって不足なし」 
又兵衛対片倉
※終始、又兵衛優勢。 
※よろめきながら又兵衛立ち上がる。 

又兵衛「・・・よう戦うた。うむ。我を倒すとは見上げたものよ。褒めてつかわす。伊達殿」 
政宗「又兵衛殿」 
又兵衛「良き御家来をお持ちじゃ。かような若き者たちを導いてくだされよ。例え我が身と大坂が灰燼と化そうとも、きっとより良き世を創ってくれるであろう」
政宗、片倉に支えられながら退場。 

煙幕 

又兵衛も退場。 

煙幕 

★★★ステージ4:家康登場 
徳川勢、舞台へ。 
本多、井伊登場。 
井伊「本多殿。あと少しですな」 
本多「ああ、そうじゃな」 
本多、瓢箪を井伊に渡す。 
井伊「本多殿?」 
本多「ふふふ。戦場(いくさば)において酒は我が友であった。だがもう戦は終わりじゃ。これからは亡き父・忠勝と大御所様がお築きになられた泰平を守らねばなるまい。酒とはこれにてお別れよ」 
井伊「ははは。本多殿らしい。この直孝も忠勝殿と同じく四天王であった直政を父に持つ者。共に泰平の世を護りましょうぞ」 

法螺貝・太鼓 

家康登場。 
井伊、本多礼を取る。 

家康「いよいよじゃな、天海よ」 
天海「はい。残すは本丸のみ。ようやく宿願の泰平の御世が参りまするな」 
正純「大御所様。ここは泰平が訪れることを告げるために勝鬨をなされてはいかが?」
家康「それは良き思案じゃ」 


徳川勢勝鬨。 


真田(声だけ)「まだだ、まだ終わらぬぞッ」 

鉄砲の音、法螺貝 

片桐「御注進、御注進ッ」 
正純「何事かッ」 
片桐「六文銭が・・・六文銭の軍勢が攻め込んで参りまする」 
天海「六文銭・・・真田か、真田が攻めて参ったのかッ」 































★★★ステージ5:真田奮戦 

真田、大助、豊臣軍の歓声の中、舞台に駆け上がる。 
大助「そう易々と凱歌(がいか)を奏じさせぬぞッ」 

真田親子、舞台上に。 
徳川勢、二人を囲む。 

真田親子対徳川勢
※親子が背中を合わせる。

大助「徳川、来い。今生にて最期の武勲を立ててくれる」 
正純「小癪な小僧め。そなた如き、この本多正純だけで十分じゃ」 

大助対正純

正純、徳川勢に助けられる。 

家康「おのれぇぇぇ。また上田の時と同じようにこの家康の邪魔立てをするつもりか」 
本多「ご安心なさりませ。この本多忠朝がいる限り、大御所様に指一本触れさせ
ませぬ」 

本多対大助
大助、蹴散らされる。真田助ける。 
徳川勢、遠巻きになる。 

真田「大助、大事ないか」 
大助「はい」 
真田「大助。その方はこれより城の方へ参れ」 
大助「何を仰せですか。この大助は・・・この大助は最期まで父上と共に」 
真田「たわけッ。そなたはそれでも武士(もののふ)か」 
大助、涙する。 
真田(優しい声で)「戦場(いくさば)で涙など見せるでない。よいか、大助。
武士には義と節(せつ)がある」 
大助「義と節?」 
真田「そうじゃ。真田の武勇と意地はこの父が示してみせよう。だが御恩ある豊臣家を最期まで守り通す節はそなたに任せたい。頼む、大助よ。父を・・・父を助けよ」
大助、号泣。 
大助「仰せに従いまする。父上・・・冥途にてお会いいたしましょう」 
真田「うむ。冥途にてのう」 
大助、退場。 

本多遮ろうとするが、真田槍を振り回してこれを威圧する。 

真田「倅をここで死なす訳には参らぬッ」 
真田、槍尻を地面に突き、すべて(観客含め)を睥睨(へいげい)する。 
真田「遠からん者はその耳で聞けぃ。近からん者はその眼(まなこ)でしかと見よッ。我こそは真田源次郎信繁。わずかなりでも己に勇あると思わん者はこの信繁の首を取ってみせよ。・・・おらぬのか、おらぬのかッ。御敵(おんてき)には一人の漢(おとこ)もおらぬのか、はははははは」 
井伊「おのれ、言わしておけばッ」 
本多「待たれよ」 
本多、前へ。 
本多「忌々しき大言壮語よ。長きに亘る戦国の世を終わらせるために我ら徳川は戦うて参った。そなた如き者に邪魔立てはさせぬ」 
真田「面白い。言葉でなく、武によって我を説き伏せてみせよ」 

真田対本多

徳川勢、敵討ちとばかりに襲いかかるが、真田激戦で退ける。 

真田、勢いをもって家康に襲い掛かる(家康に蹴りも入れる) 
(スローモーション殺陣)本多討死。 

家康「忠朝、忠朝ーーーーー」 
本多(息絶え絶えに)「・・・大御所・・・様、良き世を・・・良き世を・・・」
家康「忠朝ーーーーーー」 

家康、徳川勢に護られながら退場。 
真田追うが、井伊が立ちはだかる。 
真田「・・・赤備の甲冑・・・そうか。井伊の赤鬼の倅か」 
井伊「もはや多くは語るまい」 
井伊「本多殿」と呟きながら、本多の形見である酒を口にする。 
井伊、武器を構える。 
井伊「井伊直孝、参る」 

井伊対真田

井伊、止めを刺そうとする。真田最期の力を振り絞って槍を回し、井伊を退ける。
真田、槍を杖にする。 
真田「・・・よう戦うた。まことよう・・・。ふふふ・・・。我が生涯に、我が生涯に―」 
力強く拳を天に突き出す。 
真田「一片の悔いなしーーーーー」 

煙幕/陣太鼓 

真田退場。 

井伊「この世でもう・・・」 

井伊、がっくりと方膝をつく。 
井伊「あのような漢(おとこ)を見ることはあるまい。真田信繁・・・我らはその名を永久(とこしえ)に忘れぬ・・・ッ」 
本多の瓢箪を抱きしめ、涙し、退場。 

煙幕 

■■■乱戦三回目 
藤堂「者共、何に手をこまねいておる。この藤堂高虎に続け、続くのじゃぁぁぁ」
木村「我こそ木村長門守重成。今こそ豊臣家のご恩顧に報いる時。者共、命を惜しむな、名こそ――惜しまれよッ」 

■■■ 
煙幕 






























































★ステージ6:千姫との別れ 

秀頼、淀、千姫、侍女、大助登場。 
大助、秀頼たちを守護。 
秀頼(息をきらせながら)「母上、千、大事ないか」 
淀殿「妾は大事ない」 
千姫「わたくしも・・・」 
淀と千、座り込む。 

鉄砲、太鼓、法螺貝、煙幕(敵が迫ってくる演出) 

秀頼「もはやこれまでであるな」 
淀殿「秀頼殿」 
秀頼、かぶりを振る。 
秀頼「・・・千。ここまでじゃ。急ぎここを離れ、大御所様の許へ」 
千、思いつめる。 
千姫「・・・千一人が助かるのは嫌でござりまする。秀頼君も義母上も共にお爺様に助けていただきましょう。豊臣の名を捨てれば命だけは」 
秀頼、千の手を強く握り締めかぶりを振る。 
秀頼「烏滸(おこ)なることを申すな。余は天下人豊臣秀吉公の嫡子ぞ」 
千姫「天下人の嫡子が何でござりまするか。秀頼君にも千にも・・・同じ人の赤き血が流れているではありませぬか。豊臣だの徳川だの・・・くだらぬ」 
秀頼「同じ赤き血・・・そうじゃな。余もそなたも民草も皆、同じ人ぞ。同じ赤き血が流れておる。何の違いがあろうか。だが望むと望まぬに関わらず余は天下人の子として生を享けたのじゃ。この身体に流れる豊臣の血を享(う)けて余はここにおる」 
秀頼立ち上がり、周囲を見回す。 
秀頼「この豊臣のために多くの・・・まこと数え切れない多くの者たちが死んでいった。今更どうして余に豊臣の名を捨て命乞いなど出来ようものか。千よ。そなたとは子を成すことが出来なんだが、余と母上と、そしてこの大坂の心は伝えてくれよ」
千姫「大坂の心?」 
秀頼「そうじゃ。秀吉公が築き、そしてこの秀頼が灰燼としてしまったこの大坂だが、人々は今日も明日も生きていく。百年、二百年・・・いや四百年先もきっとこの大坂で人々は生きていくであろう。この想いだけは大御所様や将軍家、そして徳川の方々にしかと伝えてほしい。それが千の・・・いや千にしか出来ぬことじゃ」 
秀頼以外、泣く。淀殿、千姫を労わる。 
千姫「お別れを前に一つお願いの儀がござりまする」 
秀頼「何なりと申せ」 
千姫「わたくしの為に舞ってはいただきたいのです。秀頼君のお姿をこの目にしかと残しておきたいのです」 
秀頼「相わかった。・・・だが千よ」 
千姫「はい」 
秀頼「そなたの舞も是非、余に馳走してくれ。そなたの美しき姿をもってこの世を去りたいのだ」 

千姫、一礼。 


秀頼、刀を抜く。 

【詩吟に合わせて、剣舞と扇舞) 

■秀頼剣舞 
(垓下歌:項羽) 

■千姫扇舞。 
(返歌:虞美人) 

千姫、退場。 


★★★ステージ7:秀頼・淀殿の想い 

淀殿「秀頼殿」 

秀頼「母上」 
秀頼、労わりながら微笑む。 
秀頼「今生の別れに母上にもお願いしたき儀がござりまする」 
淀殿「何じゃ?」 
秀頼「母上も生き延びていただくわけには参りませぬか」 
淀殿「何を申す」 
秀頼「千の行く末を見守っていただきたいのです。千一人では心細い」 
淀殿、立ち上がる。 
淀殿「秀頼殿」 
秀頼「はい」 
淀殿「・・・この母を許してたもれ」 
秀頼「何を仰せか」 
淀殿、手を広げる。 
淀殿「天よ。もし天に御心(みこころ)があるのでしたら、もうこれ以上妾から大事なる人を奪わないでいただきたいのです。父も母も伯父も、そして義父も・・・。天は皆、奪われた。せめて・・・この子だけは、この子だけは・・・助けていただきたいのです。この茶々の命に替えても・・・」 
淀殿、泣き崩れる。 
秀頼「有難きお言葉。そのお言葉だけでもこの秀頼、天に感謝いたしまする」 
淀殿「偽りを申すなッ」 
秀頼「偽りではござりませぬ。我が身体に流れる豊臣の血が忌まわしく思えたことは幾度もありました。ですが母上の子として生まれたことは我が幸運。来世でもこの秀頼を・・・この秀頼を産んでくださりませ」 
淀殿、号泣。 
秀頼「母上。豊臣最期の心をご覧くださりませ。この大坂に住まう、生まれてくる者たちに想いを伝えるべく・・・この秀頼一世一代の舞を献上いたしまする」 

秀頼、剣舞+扇舞 
(先ほどの秀頼の剣舞と千姫の扇舞の要素をミックス) 

※笛など盛り上がり 

煙幕 

豊臣勢、幕代わりに舞台前に。 

秀頼親子退場。 

豊臣勢、退場。 
























































★ステージ8:大坂誕生

家康、忠明登場。 
家康「終わったのう・・・終わったのう」 
家康、満座を見回し、感慨にふける。 
家康「忠明(ただあきら)」 
忠明「はっ」 
家康「戦はもうこれで終わりじゃ。この家康が享(う)けし天命もこれで全うしたのじゃ」 
忠明「何を仰せになりまする」 
家康「ふふふ。まあ良い。忠明よ」 
忠明「はっ」 
家康「大坂は灰燼と化した。じゃが大坂は死んではおらぬ」 
忠明「は?」 
家康「大坂で人は生きてきた。じゃが今日も明日も・・・いや百年、二百年先も
大坂で人々は生き続けるであろう。忠明」 
忠明「はっ」 
家康「長年わしが愛用してきたこの寒竹(かんちく)の鞭を与える」 
忠明「はっ」 
忠明、恭しく鞭を受け取る。 
家康「そなたをここ大坂の城主に任ずる。大坂再興の大任、御身に任せる」 
忠明、深く礼をし、観客の方に向く。 
忠明「この松平下総守忠明(まつだいらしもうさのかみただあきら)、この身に替えましてもこの大坂を再興してみせまする。百年、二百年・・・いや四百年と続く大坂を大坂の者たちと共に築いてみせまする」 

陣太鼓 

煙幕 

陣太鼓 

両軍、ステージ前へ ※広場の広さを見て検討。 































★★★ステージ9:総勝鬨 

秀頼、真田、薄田ステージ上へ。 

(並び方)真田/秀頼/忠明/家康 

薄田(アドリブ)勝鬨説明 

勝鬨 
真田「えいえい」「おーーー」 
家康「えいえい」「おーーー」 
秀頼「えいえい」「おーーー」 
忠明「大阪に栄えあれ、いざ!」「おーーーー!」 

退場。 















































































そしていよいよ本番。
私は前回同様、乱戦の指揮です。
舞台では富楠さんや蹴鞠さん、左馬さん、毘毘さんたちを初め、大坂の陣攻防を演じていただきました。
豪華なのは秀頼公と千姫さん。
秀頼公は前回同様に知盛さんが担当され、千姫は歌舞伎で女形をされています山村さんにお願いしました。
また二人の別れには項羽と虞美人の歌を挿入しました。
ちょっと残念だったのは良いところで投票へ行こうコールがKY的に入ったり、合戦が前回よりちょっと上手くいかなかったかなというところです。
ですが、何とか無事に終了することが出来、本当に良かったです^^
C無事終了!
















































終了後はようやく昼食を取り、のんびりと・・・は行かず、すぐさま武者行列です^^
忠明兜を着用し、大阪城内を行軍です。
夕方となり益々気温はベストになり、楽しく行軍が出来ました^^
Dまた開催出来る日まで






こうして無事に終了したのですが、三年前まではこのイベントに参画することは出来ないと諦めておりました。
ですが鈴木さんを初め、多くの方のお力によってこのような素晴らしいイベントに参加することが叶いました。
ですがこれで終了せず、来年もまた大阪城でイベントに参画出来ればと願っております。
まずはご参加いただきました皆様、お疲れ様でした。そしてありがとうございましたm_m
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