甲援隊血風録
初陣!京都まつり


【前回のあらすじ】
天は味方した―。
無事雨天を免れ、勇ましく出陣する二十四将。そんな中脱水の症状に襲われる参国であった。だがその危機は弾正殿の機転によって救われた。
そしていよいよ出陣の時がやってきた。
第二話


行列スナップ

一海個人的ベストホールド賞?
さまのすけあいすすらっがー!!


【天誅されてしまった副長殿ノ図】
横内殿「抜刀ーーー」
真下殿「ズバッ」
横内殿「て、わし斬ってどないすんねん」
 最大の危機を乗り越え、参国は大声で叫んだ。
「出陣!」
「おーーー」
二十四将たちは天が破れんばかりの雄叫びを挙げ、ついに出陣した。向うは京の都の市役所。御池通の戦いが今始まったのだ。
 勇ましく都大路を突き進む武者たち。だが初陣の甲援隊にとって予想外の出来事が次々と襲った。
 あまりに長大な軍容となったため、参国の声が届かなかったのだ。また途中で突撃命令などが号令されたため、急に走るなど武者たちの心は揺れた。だが歴戦の将である肥前守殿が自慢の大三日月前立を使った舞を披露は皆の心を安らかにした。
 参国は幾度も勝鬨を挙げるなど必死に戦ったが、幾度も都人には通じない。そこで惟新殿が考案した武芸を披露していただくことになったが、ついに果たせなかった。まさしく大将である参国の経験不足によるものであった。またこの戦の総指揮者より最後の舞台での武芸披露も中止となる旨を受けてしまった。
「南無三!」
と武芸披露を約してくれた惟新殿、肥前殿、山内殿、そして真下殿の四将の無念を思うと居たたまれなくなってしまった。だがこの四将はさすがは歴戦の兵たちである。
「参国殿、お気に召されるな。戦とは常にこうしたもの。我らは気にしてはおり申さぬ」
と優しく参国を慰めてくれたのだ。参国は四将の思いに胸打たれながら、最後の舞台へと軍を進めた。

九州からmy甲冑で参陣の左京亮殿。感動して思わずお土産をいっぱい渡してしまいました。重くなってすみません^^;;

この時になって少し雨が・・・。本当に雨にならなくて良かったです^^ただその後暑さでダウンしてしまいました^^;;
 最後の舞台での参国の仕事は甲援隊を初め、援軍に駆けつけてくだされたゆるり甲冑隊、そして雑賀甲冑隊を都人に披露することであった。またこのたびの戦勝を祝して、武尊殿のご好意に対して勝鬨を挙げることであった。
 だがまたしても参国は脱水と熱中の症状に悩まされていた。
〈あと少し・・・あと少しだ。今ここで倒れるわけにはいかぬ〉
と自分を叱咤し、舞台へとあがった。
 舞台にあがった後、参国は声を挙げて都人に甲援隊の心意気を訴えた。
―甲冑の輪を畿内に咲かせる―
と。その熱き思いはどのように伝わったのかは定かではない。ただ最後に都人に我らの心意気を訴えるべく、勝鬨を挙げることにした。
 参国はおもむろに軍扇を広げ、弓杖をついた。古来より伝わる伝統の勝鬨とはこのようにしてするものなのだ。
 参国は金色に輝く軍扇を大きく仰いだ。
「エイ、エイ」
「オーーーー!」
「エイ、エイ」
「オーーーーーー!!」
その瞬間であった。盛大な拍手が二十四将に向って捧げられたのだ。色々と失敗はあったものの、甲援隊の初陣は見事勝利に終わった。その凱旋の武者たちを様々な人々が見守っていた。残念ながら参陣出来なかった大蛇丸殿、温かく都人と見守ってくれた元政殿や、富楠殿。いずれも参国と親交のある方々ばかりで、後に参国は感激することとなった。
 とにもかくにも御池通の戦には勝利した。その後、参国は安心したためか、倒れ込んでしまった。参国は不甲斐ない己を恥じたが、副長の横内殿の介護のおかげで再び立ち上がることが出来た。介護される中で参国は
〈我が運の強さよ。私一人では初陣の勝利がおぼつかないどころか、この場にて倒れていたであろう。天候といい、天に感謝せねばなるまい〉
と横内殿や他の諸将の顔を思い浮かべつつ、武尊殿の陣所へと戻っていった。
つづく